2005年09月09日

マイケル・ファラデー(1791-1867)…イギリス/科学者

<最大の発見>

●学歴なし:ファラデーの場合

鍛冶屋の息子ファラデーの家族は貧しく、彼が9歳の時、一家は生活保護を受けねばならなかった。

12歳になったファラデーは、小学校すら出ないまま製本屋の配達人として働き始めた。翌年には年季奉公人となり、製本技術を身につける。勤勉なファラデー、作業の手を抜くことはなかったが、仕事の傍ら、店にある科学書や百科事典などで科学の知識を吸収していく。さらに暇を見つけては、近所の公開講座に出かけ、独学で器具を作り科学実験を行った。

ファラデーが21歳の時、製本屋の常連客が、科学者ハンフリー・デーヴィーの公開講演に彼を聴講させる。このときの感動を、ファラデーはどうしても忘れられなくなってしまう。半年後、7年間の年季奉公を終えた彼は、製本職人として就職しつつも、講演の記録ノートとともにデーヴィーに手紙を出す。こうして彼と会見を果たすが、返事は「今は助手の空きはない」ので雇えない、とのこと。

しかし、数ヵ月後に専任の助手が辞職。デーヴィーはファラデーを雇い、王立研究所の屋根裏の2部屋に彼を住まわせた。ファラデーは結婚後も夫婦でここに暮らし、46年間寝泊りした。

成功後は数え切れないほどの大学から名誉博士号を授かったファラデーだが、学歴ナシ子供ナシ家ナシ。王立協会の会長職も称号も勲章も断りまくったが、67歳のとき、女王の与えた住居に妻と移住。もっと早けりゃジュニアくらいいたかも。

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●人生のポイント

学歴のないファラデー、生涯数学は苦手で、数式化ができなかった。

おそらくはそのために、直感による彼の発想は素早く鋭かった。「ファラデーの法則」で知られる電磁気学での分野のみならず、ひとりの人間とは思えないほど多岐にわたる業績を彼は生んだ。マクスウェルをはじめとする多数の科学者たちは、ファラデーの残したイメージを発端に数学的基盤を組み込み、功績を得た。

学校でなく公開講座で学んだファラデーの事業に「子供でもわかる」ことを目標にしたクリスマス講演がある。これは現在も人気の公開講座で、今や古典となった『ろうそくの科学』(角川文庫)は、ここで話したファラデーの講演内容を修めたものだ。

ちなみに、素人にわかりやすい数式の少ないファラデーの著書は、後に小学校中退者のエジソンを発明王に導いている。

それにしても、笑気(一酸化二窒素)の麻酔性や七元素を発見し、電気分解法を確立したデーヴィーは、当時トップクラスの著名科学者。そんな彼がなぜ、無学な製本技術者なんてのを雇ったか?

デーヴィー自身、若い頃は薬剤師として年季奉公をしていた。友人たちに研究所の職を世話してもらったことで科学者になった自分の過去を、ファラデーに重ねたのかもしれない。

その後、恵まれた環境で実験に没頭したファラデーはトントン拍子に大成功。いつしか嫉妬し始めたデーヴィー、彼の出世を邪魔しようともしたが、晩年は「私の最大の発見はファラデー」と発言。んー、オ・ト・ナだ。

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● もし学歴があれば

学校教育ですっかり数式に強くなった計算高い男ファラデー、電磁気学の理論を次々と公式化し、マクスウェル出番なし。禁欲主義な宗教を信じる貧しい鍛冶屋の娘でなく、大学在学中に知り合った上流階級の娘と結婚すると、特許を取得。発電機製造業やめっき産業からの収入を得て大もうけ。傾きかかった王立研究所の財政を立て直し、王立協会会長長の座もナイトの称号も与えられるがまま手中に収める。クリスマスの公開講座は思い切りド派手にし、聴講者全員にキャンドルつきの豪華なクリスマス・ケーキを振舞ったため、毎年大盛況となる。ただし、彼の講演内容「脂肪族鎖式飽和炭化水素CnH2n+2の科学」は難解な数式と計算だらけで素人にはほとんど理解されない。
faraday.jpg


posted by 73 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 学歴なし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マジかっこいいですWW

Posted by フランクリン at 2008年07月17日 09:04
人間性に惚れましたww
Posted by at 2010年01月11日 21:44
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