2005年09月23日

ガブリエル・シャネル(1883-1971)…フランス/ファッションデザイナー

<礼拝服をスーツに>

● 母早死に:シャネルの場合

ガブリエル(ココは愛称)・シャネルが12歳の時、33歳の母は過労と結核とで亡くなった。

後年シャネルは「母が死ぬと父は仕事でアメリカに行き、私は叔母に預けられ、父からの仕送りで育てられた」と語った。が、これは真っ赤な嘘である。母の死から一週間もしないうちに、父はシャネルを姉と一緒に修道院内の孤児院に預けると「必ず迎えに来るよ」という言葉を残し、行方をくらませた。

要するに、シャネルは父に棄てられたのである。

行商人の父は、商売で街を移るたびに女を取り替えるプレイボーイだった。シャネルが生まれた時、両親2人は結婚していなかったのもそんな理由からだ。籍を入れた後も、飲酒癖、放浪癖のある父は家を留守にしがちで、母の死にも立ち会っていなかった。娘たちと離れてからも女遊びにうつつを抜かし、酒におぼれ、詐欺師まがいの暮らしを続けていた。

シャネルのほうは修道院内で、はた織や刺繍、編物などの手芸をみっちりと仕込まれた。これは、修道院のシスターたちが孤児たちを将来自立させるために教える手仕事のひとつだった。生まれつき手先が器用なシャネルは、当時の仲間たちの間でも一目置かれており、毎年夏、修道院主催のバザーが開かれると、彼女は得意の刺繍やアップリケなどを駆使し、手の込んだものを出品した。

孤児院を出た後、シャネルは修道女とはならず、無料の寄宿学校に入学した。そこには金持ちの娘が通う有料のカレッジも併設されていた。洗練された制服を着る彼女たちと、質素な服を着たシャネルたち貧乏人集団の歴然とした差を眺めながら、シャネルは着るものについての考えを固めていった。

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● 人生のポイント

今でこそ華美なイメージで見られがちなシャネルブランドだが、彼女自身が追求したのは機能的な服であり、当時としてはシンプルなものだった。

「16歳まで、私はツーピースのテーラードスーツを着ていた。私が作るシャネルスーツはそこからきている」。成功したシャネルの発言にある<テーラードスーツ>というのは、孤児院時代、日曜礼拝の際に着せられた、上下ブルーの礼拝服のこととみられる。孤児院で暮らした事実を生涯隠し通そうとしたシャネルだが、彼女の裁縫技術のみならず、美的センスの多くは、そこで育まれたものだ。

その美学は、45歳のときに建てた別荘にも現れた。完成を見た友人たちは、その厳しいたたずまいに「修道院のようだ」とコメントしたが、実際、シャネルは建築家を自分の育った孤児院に送り、参考にさせたのである。

また、常に男性との噂を絶やさなかったシャネルだが、彼女が最も愛したのは、成り上がりのイギリス人アーサー・カペルだった。カペルは、しがない銀行員の息子で、幼い頃に親を亡くした孤児だった。似通った境遇の出であることが、シャネルと彼を強く結びつけた。

オート・クチュリエとしてのシャネルのスタートは、27歳のときにカペルの出資により開いた帽子店である。さらに、彼の援助でブティックを開店し、シャネルは成功への階段を昇っていく。

その後、貴族の娘と結婚したカペルは、シャネルが36歳の時に自動車事故で亡くなるが、自分ひとりの力で連合国大評議会書記官まで叩き上げた彼の生き方は、その後もシャネルの励みとなり、「私の成功はカペルのおかげ」とまでシャネルにいわしめた。

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●もし母親が生きていたら

まずは両親を手伝って行商人となるが、やがて「ココリコ」という歌を覚え、人前で歌って稼ぐようになる。まもなく「ココ」の愛称で親しまれるようになり、ハンサムで女たらしの父、父に従順で体の弱い母、歌唱力はないが負けん気の強い看板娘ココ・シャネルの一家は、旅回りの一座としてフランス各地をまわる。ある日、旅先のカレー屋でその味に感動したココ・シャネルは「私、このお店で歌うわ」と立ち上がって「ココリコ」を歌うと、店内はやんやの大喝采。やがて、娘の収入でカレー屋を買い取った一家は、ライブを見ながらカレーを食べられるようにステージをしつらえ、店内を大改築。一家は「ココ!」「一番!」などの声援を浴びる名高いカレー屋に。
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posted by 73 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 母早死に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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