2005年08月23日

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)…オランダ/画家

<売れなかった125億円>

●自殺:ゴッホの場合

ゴッホは37歳で自らの命を絶った。

自殺の一因は彼の精神病だった。1988年、ゴッホは不眠と夢遊状態に悩んだ。年末には最初の発作が起こり、かみそりでゴーギャンに切りつけるが、結局ゴッホは自らの右耳を切り落とし、それを愛する娼婦に送りつけた。なぜ耳なのかはわからない。

翌年2月にはゴッホの住むアルルの住民たちの抗議により、彼は入院監禁させられた。5月、サン・レミの病院に移るが、ここでも発作を繰り返しては錯乱し、幻覚を見た。それでも時々は、比較的自由な環境のもとで絵を描いていた。

ところで、ゴッホを経済的に支えたのは4歳年下の弟テオである。この頃、弟に子供が生まれ、ゴッホはテオの経営する画商の経営難を知る。この時、ゴッホは自分が弟の家族の経済的負担になっているのを耐え難い負い目に感じたらしいが、それまでどう思ってたんだろう。

以降、彼の精神錯乱はひっきりなしに繰り返された。石炭箱の中にひっくり返っていたり、小使がランプに入れている石油を取り上げて飲んでしまったりすることもあった。

1890年7月27日、ゴッホは麦畑で自分を撃つ。銃弾は胸の下から入り、背骨のそばで止まった。いったん気絶して倒れこんだが、やがて意識が戻ると、ゆっくり歩いて自宅に戻った。宿の人々は床に滴る血痕で彼の怪我に気づいたという。昏睡を続け、29日没。死に目を見た弟テオも精神を病み、約半年後、兄の後を追うように死んだ。

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●人生のポイント

もともとゴッホは画家として絵を描き始めてから10年しか生きていない。彼は聖職者になろうとして挫折し、27歳の時に絵の道を決意して、技術のほとんどを独学で身に付けながら画家を始めたのである。

が、よく知られている通り、生前、彼の絵はまったく注目されなかった。彼が肖像を描きプレゼントした知人は、ゴッホの死後もしばらく、鶏小屋の穴ふさぎとしてその絵を使っていた。

死の直前、『赤いブドウ園』が400フランで売れた。これがゴッホの生前に売れたたった1枚の作品だが、初めて自分の絵が売れたという事実も、ゴッホを立ち直らせることはできなかった。10年に1枚しか絵が売れないんじゃ、彼を画家と呼ぶのも微妙な気がする。

ゴッホが評価を集めるようになるのは20世紀に入ってからのことである。彼の人生が本となり、映画となって知れ渡るにつれ、その絵の評価もうなぎのぼりに上昇していった。

ちなみに、死の前の3ヶ月前にも、ゴッホは画家らしい方法で自殺を図っている。彼はいきなりチューブをつかんで、人体に有害な絵具を口へ押し込んだ。この自殺未遂は発見が早かったので大事には到らなかった。これなど自殺を試みているのか、ただ頭がおかしくてやってるのか、よくわからない気もする。1990年に『医師ガッシェの像』は125億円で落札されたが、彼の壮絶な人生の終焉を抜きに、これほどの高値がつけられたのかは疑わしい。

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●もし自殺しなければ

日本を理想のユートピアと考え、浮世絵を収集し研究したゴッホ、10年間精神病院に入院すると、退院後に念願かなって来日。彼の作品の評価が世界的に高まってきたこともあり、しばらくは快適に過ごす。が、冬になり日本人たちが咳き込むと、周りじゅうが自分の名を呼んでいるのではないかという自意識過剰が生じて再び発狂。残っていた左の耳も切り落とし、両耳を失う。その姿を見た日本人たちは「絵を描く耳なし芳一」としてゴッホを尊ぶが、結局彼は日本への幻想が勘違いだったと思い始めて帰国。後に「ドラえもんのモデルはゴッホだった」という都市伝説が生まれたり、口裂け女と比較されて論じられたりしつつ、神話的人気を保つ。
gogh.jpg

「牢獄は時としてしばしば、次のような名前を持つ。偏見、誤解、無知、そして猜疑心」
■プロフィール・参考文献


posted by 73 at 00:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 自殺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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